フランスのポピュラー音楽ジャンル「ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)」とは、1970年代頃からフランスで定着し始めた、シャンソン、60年代イェイェ yé yé(日本のフレンチポップ)、ダンス、ヒップホップ、エレクトロなど、フランスの主なポピュラー音楽ジャンルを総合した音楽ジャンル。
フランスのポピュラー音楽の最大ジャンル「ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)」とは?
フランスのポピュラー音楽ジャンル「ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)」とは、1970年代頃からフランスで定着し始めた、シャンソン、60年代イェイェ yé yé(日本のフレンチポップ)、ダンス、ヒップホップ、エレクトロなど、フランスの主なポピュラー音楽ジャンルを総合した音楽ジャンル。
いわば、シャンソン(chanson)、フレンチポップ(pop fraçaise)、ロックやレゲエ、ラップやR&Bなど、おもなポピュラー音楽のサブジャンルを網羅したフランスポピュラーミュージックの「歌(もの)」の一大ジャンルである。
ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)
:(主なサブ)音楽ジャンル( GENRES MUSICAUX)
・シャンソン・フランセーズ( Chanson française)
・ヌーヴェル・シーン・フランセーズ(Nouvelle scène française)
・フランスのロックとレゲエ(Rock et Reggae français)
・フレンチラップとR&B(Rap et R&B français)
・ミュージカル・コメディ(Comédies Musicales)
・ライブ・コンサート(Live – Concerts)
・フランスのレトロなシャンソン(Rétro chanson française)
※平たくいえば、フランスのポピュラー音楽のほぼ全ジャンルには近いが、フランスでも近年一大ジャンルとなっている、エレクトロ・EDM、ヒップホップ、などのダンスミュージックやブラックミュージックなどのクラブ系ミュージック、またはヘヴィメタなどは、それぞれヴァリエテとは別枠で独立ジャンルとして分類されることもある。例えばFNACでも一応ラップもヴァリエテにもあるがそこはいわゆるポップチャートにランクインするようなヒップホップ系のヒット曲など。よりハードなギャングスタ系やトラップなどコアなダンス・ブラック系は独立ジャンルのコーナーにCDが置いてある感じか。
(ちなみに、フランスのヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)を、日本のジャンルとの比較でいえば、ヴァリエテはいわばJPOPや昭和歌謡(歌謡曲・演歌)の総称。もう少し詳しく言えば、J-Pop、シティ・ポップス、ニューミュージック、ロック、歌謡曲、演歌、流行歌、ソウルやR&B、ディスコ、ダンス、ラップ、エレクトロの一部、EDMの一部、ボカロPあたりを総合したようなポップミュージックの総称的な音楽ジャンル。)
ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)有名アーティスト
有名アーティストでは、ミレーヌ・ファルメール (Mylène Farmer)、ジョニー・アリディ(Johnny Hallyday)、ルノー(Renaud)、アラン・スション、サエズ(Damien Saez)、エディ・ミッチェル、ジャック・デュトロック、ジャンルイス・オーヴェルト、セリーヌ・ディオン、アンジェル(Angèle)、クララ・ルチアーニなどの現在(2020年代)フランスでも人気の国民的歌手から、フランスで最も人気のあるジャック・ブレルやシャルル・アズナブールや日本で有名なピアフやイヴ・モンタンなどのシャンソン歌手、フランス・ギャルやフランソワーズ・アルディなどの60年代イェイェ(yé yé)※日本のフレンチポップスなどなど。ほぼフランスで「歌(chanson)」を歌う歌手が全て該当するような総合的な音楽ジャンル。
ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)の名称・別名など
ヴァリエテ・フランセーズ(VARIÉTÉ FRANÇAISE)の名称については諸説ある。
ヴァリエテ・フランセーズ(VARIÉTÉ FRANÇAISE)の別名では、シャンソン・ヴァリエテ・フランセーズ(Les Chanson Variété Française)、または、シャンソン・フランセーズ(Les Chanson Française)という古い呼び方で総称する言い方もある。
例えばウィキペディアではフランス語版でもいまだにヴァリエテ・フランセーズ(VARIÉTÉ FRANÇAISE)のページがなく、シャンソン・フランセーズ(Les Chanson Française)のページで対応されている。
これは、(ヴァリエテ・フランセーズ(VARIÉTÉ FRANÇAISE)をシャンソンフランセーズと呼ぶことは)、日本のJ-POPや歌謡曲をまとめて流行歌というような感じかもしれない。これはあくまで筆者がいくつかのフランスの音楽関係サイトなどを通じて得たただの外国人である日本人の筆者の個人的感想なので断定するには拙速だろう。
ただ、やはりフランスでも実際のCDショップやネット(フランス語版Google)などでもしっかりヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)は使われている。むしろ一般的には単にヴァリエテ(VARIÉTÉ)と略すことも多い。
例えば、FNAC(フランスの大手家電量販店でCDなど音楽ソフトも扱うフランスのCDショップ最大手)ではかなり以前から音楽商品のメニューはヴァリエテ(VARIÉTÉ)とされている。
あとがき
なお、日本ではなじみがない。だが、気になさらないでいただきたい。なぜなら英語圏でもなじみがない。そもそも英語圏でのフランスのポピュラー音楽の認知度は下手したら日本より低い・・・というとさすがにフランスのおとなりはイギリスだし、米国もカナダのフランス語圏があるので語弊はあるだろう。だが、少なくとも英語版ウィキペディアなどの英語のネット情報ではフランスの音楽やフランス語圏の音楽についての記述は多少のギャップがある。
というわけで、このこと、すなわち、ヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)がフランスの音楽ジャンルとして海外や日本で定着するか、またはすべきかなどの音楽ジャンル談義については筆者はとくにどうでもよい。つまり別に日本に定着しようがしまいがそれはなりゆきまかせだろう。
ここまで書いておいて無責任な印象を与えるかもしれないがそこはむしろもっとシビアな話だと思うので主張してもせんなきことかと思う。フランス国内では70年代頃から使われてきた音楽ジャンル名だとしてもそれを米国音楽業界が受け入れるかどうかは音楽ビジネスとしてもやや壁がある。それはご承知の通り日本の歌謡曲がいまだにGoogle翻訳では「popular music」と訳されてしまうように、日本人がいくら歌謡曲とJ-POPは違うと主張しても、米国音楽業界がそれを理解してくれるかは別問題。そういう類のやや重たい話になってくる。ゆえに、ジャンル名の定着についてはなりゆきまかせ(Let it be)なのである。
もうひとつ気になること。フランス関係者への補足。もしかしたら(いやおそらく)多少はこんなことを書くと知ったかぶりしやがってとうさん臭く思われるだろう。フランスのポピュラー音楽関係者やフランス現代文化ご専門の方にはとくに素人が何を・・・といわれるやもしれない。それは邪推だがばつの悪さ(それを感じるか感じないかは別として)が絡むかもしれない。ただ、「フランス語関係者がこれまで紹介してこなかった?」などというありがちな批判意識から書いている訳ではない。小生は多少フランス音楽は学生時代から聞いてはいたが、フランス語は社会人になってラジオ講座などでフランス語を学習しはじめた初級程度の学習者であり、ラジオ講座などで敬愛の念を持っているフランス語関係者の先生方に釈迦に説法するような真似は考えたこともない。
あくまで、たまたまフランスのポピュラー音楽関連のことをフランス語のサイトなどでみているなかでこのヴァリエテ・フランセーズ( VARIÉTÉ FRANÇAISE)というジャンル名がフランス本国ではあるらしいという事実関係について、個人的な理解や備忘録も兼ねて記している。どうぞあしからず。
管理人も本来はラテン音楽とくにキューバがメインなのでさほど詳しくはなくフランス語勉強の過程で多少最近のフレンチも聞き出した程度。90年代のMCソラーあたりはちょうどフランスに行ったときに多少ハマったり、60年代70年代80年代辺りのクレプスキュール系ぐらいまでは昔渋谷系の流れで多少掘ったり、あとは何といってもフランスギャルさんはじめ女性フレンチポップは昔から好きなのでおそらく女性歌手中心に(;^_^A…また何かあれば追記していきたいと思います。