オクシタニ Occitanie の由来と地理~もっと知りたいロクシタン

ロクシタン 横浜 2018 著者撮影 フランス
フランス

世界でも大人気のナチュラルコスメブランド「ロクシタン(L’OCCITANE)」。

日本でもデパートやエキナカなど色々な所でお目にする機会もふえてきました。

ここでは、ブランド名の由来でもあるオクシタニ(オクシタニア)の意味や地理など南フランスカルチャーの基本的なことを少しご紹介します。

コスメの香りとともに、南仏文化の薫陶もひもといてみてはいかがでしょうか?

スポンサーリンク
Try Apple Music

オクシタニ(オクシタニア)の地理(地図)

オクシタンの地図(1995年著者旅行当時に使用していたもの)

オクシタニってどこ?

はじめにオクシタの地理を知るために地図で簡単にご案内します。

オキシタニの地図(現行政区分)

2016年9月30日に制定されたオクシタニ地域圏(Occitanie)は現在の行政区分。

オクシタンの地理(位置・場所)
:スペイン国境のフランス南部。
西はピレネー山脈のオート=ピレネー県(Hautes-Pyrénées)~ジェール県(Gers)。
東は地中海に面したペルピニャン(Perpignan)~モンペリエ(Montpellier)、ニーム(Nîmes)を州都とするガール県(Gard)まで。


オクシタニ地域圏の面積:72,724km²。
日本の面積の約5分の1ほど。
西アフリカのシェラレオネと同じ。

(参考)
シエラレオネ面積:72,000km²
日本の国土の面積:377,900k㎡
北海道の面積:83,424k㎡(北海道は日本の約45%)

オクシタニとは?(名・由来)

Occitani 発音 カタカナ

(フランス語)
オキシタニ
オクシタニ
(フランス語発音: [ɔksitani]
https://youtu.be/2LdlePtRbP8?t=39
○オキシタニとオクシタニの間(cf.秋田、山形の「き」(/きし/と/くし/の中間のような音)に似ているがが少し違う音。
△オクシタニー

(オック語、カタルーニャ語)
オクシタニア
L’Occitanie
オック語発音(en occitan) : Occitània /utsiˈtanjɔ/,
カタロニア発音(en catalan) : Occitània /uksiˈtaniə/)

Occitanie カタカナ どれが正解?

オクシタニ(オクシタニア)

結論からいうと、筆者は色々調べた結果、「オクシタニ(オクシタニア)」という併記が無難かと思いました。

オクシタニ:フランス語読みの代表的なカタカナ例
オクシタニア:オック語、カタロニア語の代表的なカタカナ例


ネットで検索してみるとこの Occitanieのカタカナ表記がまちまち。

オクシタン、オクシタニ、オクシタニー、オキシタニ、そして、オクシタニア…。どれが正しいのか?

まず、フランス語 Occitanie 発音記号[ɔksitani]に一番近いと筆者の耳で感じた点は2つ。
「キ・ク」オシタニとオシタニの中間。
「ニ・ン」オクシタとオクシタの中間。
これだけでも迷いますがここは独断で一番多そうなオクシタニを採用。

しかし、つぎにオクシタニア問題が。

こちらはよくよく調べてみるとオック語とカタロニア語(方言)由来の由緒正しい発音。
しかも、どちらもフランス史においては決して軽んずることはできない歴史と伝統をもつ文化圏。

と、さまざまなカタカナ表記が混在していますが、どれも間違いではない。

(しかし、個人的には便宜上どれかのカタカナを決めておきたい。なぜならブログが書けないので(;´∀`)アハハ
ということで、ここでは冒頭のとおりオクシタニ(オクシタニア)という併記としました。

(これは発音で決めたというより、フランス語(行政)とオック語・カタロニア語(歴史・文化)という外交的配慮…という忖度も多少はありますが、概ね筆者が個人的にブログを書くために仮決めした個人の見解です。あしからず。)


フランス語「Occitanie」発音
ネイティブ発音
フランス語「Occitanie」を正しい発音記号で書くと次のとおり。
発音記号(IPA:国際音声記号)
/ɔk.si.ta.ni/

Occitanie
Pronunciation
IPA(key): /ɔk.si.ta.ni/

source: Wikitionary, Occitanie

(余談)発音小噺(マニア向け)
そもそも正しいフランス語のカタカナ表記は?というのも変な不毛な話なので趣味的なノートです。

オクシタニ・オキシタニの「ク・キ」の中間の音というのは、東北弁(秋田弁と山形弁)の「き」(きし・くし)に近いイメージ。ただ発音記号は「ク・キ」[k]で東北弁の「き」[kçї]なのでIPA的には違う音。

秋田弁・山形弁の「き」の話は秘密のケンミンショーなどでもやってましたね。
なんとなくイメージはおわかりいただけるでしょうか。


余談が長くなって失礼しました。
オック語についてはここでは掘り下げる余裕がないのでまた別の機会に。
代わりと言っては何ですが、オック語でオクシタニの伝統音楽を継承しているコカーニャ(Cocanha)という素敵なグルーブの曲を載せておきます。ご興味あれば彼女たちの動画サイトなどもチェックしてみてください。

(小まとめ)

Occitanie ネイティブ発音に近いのは?
オクシタニ・オキシタニの中間の発音: フランス語(総称、行政区分等)
オクシタニア 歴史文化圏:オック語、カタロニア語(方言)

オクシタニとオクシタニアの違い(行政区分と文化圏)

ゴルド、典型的なオクシタニの村

オクシタニア(Occitània)は「南フランスを中心とした一帯のうちオック語が話される地域の名称」といわれています。

でも、正直ピンとこないですよね。
実はオクシタニアには2つある。

行政区分でのオキシタニ

現在の行政区分でのオキシタニ。

歴史的な文化圏としてのオクシタニア

歴史的な文化圏としてのオクシタニア

ここでは、まず現在のオキシタニを確認した上で、後半で歴史的な オクシタニアについてふれていきます。

オキシタニ(行政区域)

オクシタニ行政区画

 エロー県 Hérault
 オード県 Aude
 ガール県 Gard
 ロゼール県 Lozère
 ピレネー=オリアンタル県 Pyrénées-Orientales
 オート=ガロンヌ県 Haute-Garonne
 アリエージュ県 Ariège
 アヴェロン県 Aveyron
 ジェール県 Gers
 ロット県 Lot
 オート=ピレネー県 Hautes-Pyrénées
 タルヌ県 Tarn
 タルヌ=エ=ガロンヌ県 Tarn-et-Garonne

ちなみに、私は学生時代この辺を車で走りました。

ボルドーからトゥールーズ(A62)。トゥールーズからA61を夜通し走り、名前は忘れましたがこの地図のナルボンヌという地名の近くの海辺の国立公園の近く、というより具体的にはただの道路わきで車中泊(笑)。

朝起きたら近くの村までよろよろと走り、カフェをみつけて un cafe s’l vous plaît. 当時の数少ないボキャブラリーの1つでした。そこで朝の市場があればのぞき、市場がなければスーパーか商店でパンとハムとチーズで朝飯。フランス料理食べまくるつもり。何故か衝動でレンタカーを1週間借りて、ざくっとフランス一周してしまったもので、食い物は質素な貧乏旅行でした。素晴らしい気分でした。

A9のモンペリエを抜けるあたりは、まさに想像していたようなプロバンスの農村風景。そのなかに時々現れる中世のお城に囲まれた城下町。そして小さな村。ちょうど持って行ったカセットテープにパバロッティのオペラがあったので、大音量でかけながらFIATを走らせていると、柄でもないですが映画の登場人物になったような気分でした。(どっかで書いたような…💦。ま、いいか、若い頃の海外旅行の思い出は、1粒で何遍でもおいしいですよね(笑)。

マルセイユと抜け、カンヌあたりまで、コートダジュール、地中海を横目に。あの海の青さは素晴らしかった。

・・・と、思い出話はこのぐらいにして。オクシタンの地理の授業に戻りましょう。(えっ)

オクシタニア(文化圏)

オクシタニア
Par Norrin strange — Travail personnel, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2408282

この地図と、上の現在の行政区分を比較してみると、文化圏としてのオクシタニアと、現在のオクシタニは、だいぶ範囲が違うことにお気づきでしょうか。

オクシタニア文化圏とは

オクシタニは、南仏の歴史的な地域・国家で、オキシタン(Occitan)が主要言語として話されていた土地。(筆者仮訳)

「Occitania (Occitan: Occitània, IPA: [utsiˈtanjɔ], locally [u(k)siˈtanjɔ], [ukʃiˈtanjɔ] or [u(k)siˈtanja])[a][b] is the historical region and a nation,[1][2][3] in southern Europe where Occitan was historically the main language spoken,[4] and where it is sometimes still used, for the most part as a second language.Wikipedia.en, Occitania 」

昔のオクシタニアの範囲は、現在のオキシタニとプロヴァンスの行政区画を足して、さらに北にも領土を広げた部分となっていました。

このの文化圏としてのオクシタン(オック語を話す地域)。あのロクシタンのルーツなのではないでしょうか。

ちなみに、ロクシタンのブランド名は L’Occitane en Province。

もしかしたら現在の行政区分だけでみると「あれ、なんでオクシタニのブランドなのにプロヴァンス?」とややマニアックな疑問を持つ地理歴史ファンもおられるかもしれません。
ただ歴史的背景などをひもといてみると、むかしのオキシタニア(現在のオキシタニ地域圏とプロヴァンス=コートダジュール地域圏をあわせた広い領土)という由来もみえてきそうです。
ブランドに込められた思いなどがより深く感じられて興味深いですね。

補足 (南仏とプロヴァンス)

「南仏」どこからどこ?

さて、そうすると、よくいわれる「南仏」ってどこからどこまでなのか気になりませんか?

南仏は、簡単にいうと、このオクシタニアからプロヴァンスまでの一帯を指します。

西は上でふれたようにオクシタニのピレネー周辺まで(※諸説あり)。

プロヴァンスのおさらい

ただ、プロヴァンス自体の地理や行政区分などのズレと絡んで、少々分かりづらい面もあるかもしれませんね。

プロヴァンスについては別稿でまとめています。ポイントだけおさらいしておきましょう。

プロヴァンスとは現在の行政区分ではプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏を指します。

文化的にはうえでふれたようにオクシタニとプロヴァンス地域圏をあわせたエリアをさそうようです。


参考(オクシタニ観光局)

オクシタニ観光局(Tourisme Occitanie)、
正式名称:オクシタニ観光局地域委員会(Comité Régional du Tourisme Occitanie)

Accueil - Tourisme en Occitanie
Site officiel du Comité Régional de Tourisme et de Loisirs d'Occitanie

オクシタニの世界遺産

歴史的城塞都市カルカッソンヌ

(出典)skyticket

オクシタニには中世の都市 カルカッソンヌ(Cité médiévale de Carcassonne)など8つの世界遺産も。

※各世界遺産についてはここでは紹介しきれませんのでフランスの世界遺産について紹介されている参考サイト(上記画像出典元:skyticket)などをご参照ください。

まとめ

ここでは、ブランド名の由来でもあるオクシタニ(オクシタニア)の意味や地理など、南仏のカルチャーについてかんたんにご紹介しました。

ここではおもにオクシタニの地理についてふれました。


日本でも大人気のナチュラルコスメブランド「ロクシタン(L’OCCITANE)」。

実は、創始者のふるさとの地名。そのままブランド名になってるなんて、すてきな郷土愛ですね。郷土への誇りを感じます。



南仏プロヴァンス地方の自然とオクシタニ(オクシタニア)の文化を大切にしている素敵なコスメをきっかけにフランスの地理や歴史・文化にふれてみるのもまた、愉しみが広がるのではないでしょうか?

もちろんオクシタニの歴史や文化的な背景は奥深く、ここではほんの一部でしかありません。少しでも興味がわいたらロクシタンの公式ページでもさまざまな紹介記事もありますので、そちらもチェックなさってみてください。



あとがき(別稿に移動予定)

ブランド名と伝統的な文化、地名のつながり
日本で言えば、新潟県長岡市の越後の酒、とか、帯広市池田町の十勝ワインなど、必ずしも行政区分の地名ではないけれど、その地域の伝統的な地名などをブランドに使う例はたくさんありますものね。

ちなみに、最近訪れた土地で印象的だったのは、栃木県栃木市の大平ぶどう畑。ローカルな穴場なのであまり知られていないかもしれません。岩舟あたりの山道を抜けてときに眼下に広がるブドウ畑の景色は、思わず栃木のプロヴァンス?なんて錯覚を覚えるほど。距離はさほどない。もしお近くを通られた際に、日本でプチ・プロヴァンス気分を味わいたいなら、おすすめかも。

また、岩舟山という変わった山があります。このサイトの表紙にも載せてます。セザールの書いたプロヴァンスの山の景色に、個人的にはすごく似てると思います。ほんまかいな?と思われた方は、ぜひそちらもお立ち寄りを。

当サイトでは、コスメやファッションなどをエントリーポイントとして、フランスやスペイン、ラテンアメリカ、西アフリカ等、地理や歴史、文化や言葉などの背景を知る記事を掲載してまいります。

みなさんの普段の日常がより豊かになるきっかけになれば幸いです。


テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました